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宇宙旅行の費用・日本の商品・制度・保険 — 2026年時点の公開情報を整理

#費用#日本#制度#保険

本記事は、日本語と英語の公開情報をもとに、商業宇宙旅行の費用、日本国内の宇宙旅行商品、関連する制度・政策、旅行者向け保険の動きを整理したものです。評価や提案は含みません。


この記事は「宇宙旅行完全ガイド」の詳細記事です。

第1章 費用

各社の費用・体験内容をさらに詳しく比較した記事はこちら: 【2026年最新】宇宙旅行の費用はいくら?全6社の価格・体験内容を徹底比較

各社の価格一覧(2026年3月時点)

種別企業価格(米ドル)日本円換算高度体験時間運航状況
成層圏バルーンWorld View5万約750万円30km6〜8時間開発中
成層圏バルーンSpace Perspective / Eos X Space12.5万約1,875万円30km6時間再編中
準軌道Blue Origin(New Shepard)推定20万〜30万約3,000万〜4,500万円100km超約11分(無重力3〜4分)2年間停止中
準軌道Virgin Galactic(Delta Class)60万超約9,000万円超80〜90km約90分(無重力数分)2026年後半再開予定
軌道SpaceX(Crew Dragon)5,500万〜7,200万約82.5億〜108億円400〜1,400km数日〜数週間運航中
軌道+ISS滞在Axiom Space5,500万約82.5億円400km10〜18日間運航中

※日本円換算は1ドル=150円

チケット代に含まれるもの

各社の公開情報によると、チケット代には一般に以下が含まれる。

  • 事前訓練(身体検査・安全講習・シミュレーター。期間は数日〜15週間)
  • 訓練期間中の施設滞在
  • フライト本体(打ち上げから帰還まで)
  • 基本的なフライト保険(事業者側で加入)

別途かかる費用として、打ち上げ地への渡航費、個人の保険、打ち上げ遅延時の追加滞在費がある。Axiom SpaceのISS滞在では、食費が1人1日2,000ドル、衣類・衛生用品が1人1日1,500ドルと公表されている。

価格の推移

準軌道旅行は値下がりではなく値上がりの傾向にある。Virgin Galacticは2014年の25万ドルから、2022年に45万ドル、2025年に60万ドルへ段階的に引き上げた。

一方、SpaceXのStarshipについて、イーロン・マスク氏は1フライトあたりの運用コストを約200万ドル(推進剤90万ドル+運用費110万ドル)と発言している。100人搭乗した場合の理論値は1席2万ドルとなるが、現時点で有人飛行は実施されていない。


第2章 日本の宇宙旅行商品

気球型の詳細比較: 気球で宇宙旅行 — 岩谷技研・World View・Space Perspectiveの料金と体験を比較

Blue Originの詳細: ブルーオリジンとは — 宇宙旅行98名搭乗の実績とNew Glenn

Axiom Spaceの詳細: 若田光一宇宙飛行士が参画したAxiom Space社はどんな会社?

気球型(成層圏)

岩谷技研は自社開発のガス気球で高度18〜25kmまで上昇する「宇宙遊覧」体験を提供する。価格は2,400万円。2025年4〜6月に初の有人打ち上げを予定している。JAL、JTB、アサヒグループジャパンと提携しており、JALは航空事業のノウハウを提供する。将来的に100万円台への引き下げを目指している。

HISはSpace Perspective社の日本市場独占販売権を取得し、Spaceship Neptuneの成層圏旅行を販売している。価格は12.5万ドル(約1,900万円)。2025年のフライトは完売し、2025年10月〜2028年の予約を受付中。

準軌道(宇宙空間)

クラブツーリズムは2001年に「宇宙旅行クラブ」を設立し、Virgin Galactic社の宇宙旅行を日本で販売している。高度110km、4分間の無重力体験。価格は25万ドル(約2,600万円)。

PDエアロスペースはジェットエンジンとロケットエンジンを切り替え可能な独自エンジンを開発し、沖縄県下地島空港を宇宙港として活用する計画。8人乗り機体で高度110kmに到達し、5分間の無重力体験を提供する。価格は1,500万〜2,000万円。2024年6月に無人実験機が大破したため、商業運航開始は2029年に延期されている。

地球間高速輸送・軌道滞在(将来構想)

日本旅行は将来宇宙輸送システム(ISC)と提携し、2つの構想を進めている。

  • SPACE Tour 2.0: 再使用型ロケットで地球上2地点間を60分以内で移動。2030年代、約1億円/人
  • SPACE Tour 3.0: 完全再使用型ロケットで軌道上滞在(宇宙ホテル等)。2040年代

2026年度中の申込受付開始を目指している。

また、日本旅行は創業120周年事業として「We are going to the Moon!」プロジェクトを実施。Astrobotic Technology社の月着陸船にペイロードを搭載し、2025年末にSpaceX Falcon Heavyで打ち上げ予定。

日本のスペースポート

大分県はSierra Space社のDream Chaser宇宙飛行機を大分空港に着陸させる構想を進めている。JAL、兼松、三菱UFJ銀行、東京海上日動が参画。Dream Chaserの大分空港着陸は2027年以降の見通し。経済効果は5年間で102億円と試算されている。

**北海道大樹町(HOSPO)**は2021年に民間開放型商業宇宙港として本格稼働。2025年7月に台湾企業tiSPACEの準軌道ロケットを打ち上げ、国内初の海外企業によるロケット打ち上げとなった。垂直打ち上げ用の新射場は2026年9月完成予定。


第3章 制度・政策

法律面の詳細解説: 宇宙旅行に関わる法律 — 旅行者の法的地位・リスクの同意・日本と米国の制度を整理

宇宙活動法の改正

現行の宇宙活動法(2018年施行)はロケット打ち上げと人工衛星管理のみを対象としている。再使用型ロケット、サブ軌道飛行、有人宇宙輸送、気球からの打ち上げなど新たな活動形態に対応できていないため、改正の検討が進んでいる。

時期経緯
2024年9月宇宙政策委員会で見直しの検討開始
2024年12月経団連が見直しに関する提言を発表
2025年3月中間とりまとめ公表
2025年6月第1回「宇宙活動法改正ワーキンググループ」開催

2025年度内の改正案国会提出を目指しており、可決されれば2026年以降の施行が見込まれる。

有人宇宙輸送に関する制度設計

2026年2月5日に内閣府宇宙開発戦略推進事務局が「有人宇宙輸送に係る今後の進め方について」を公表した。当面は打ち上げ実施機関の訓練された要員のみが搭乗する形態を想定している。米国の2004年商業宇宙打ち上げ改正法を参考に、事業者がリスクを開示し旅行者が書面で承知する「インフォームドコンセント」の仕組みの導入を検討中。

スペースポートの法的位置づけ

日本の法律には宇宙港の設置に関する許可制度が存在しない。宇宙活動法では射場設置に関する独立した規制は設けられず、打ち上げ許可基準の中に安全確保措置として規定されるにとどまっている。改正において法的位置づけの明確化が課題となっている。

日本の規制機関

米国FAAのような宇宙旅行専門の規制機関は日本には存在しない。内閣府宇宙開発戦略推進事務局が宇宙活動法の所管官庁であり、今後の制度設計で専門的な規制の枠組みが検討される見込み。


第4章 保険

保険の詳細解説: 宇宙旅行の保険はどうなっている? — 日本の損保3社の動きと個人がやるべきこと

市場全体の動向: 宇宙保険の全体像 — 東京海上・三井住友海上・損保ジャパンの取り組みと市場動向

東京海上日動 — 宇宙旅行保険を提供開始(2024年4月〜)

2024年4月8日に、宇宙への出発日から帰還日までに発生した傷害(死亡・後遺障害)を補償する保険の提供を開始した。海外旅行保険として引き受け、搭乗機の飛行実績等を踏まえて個別にリスク評価を行うオーダーメイド型。保険料は公表されていない。

大分県スペースポートプロジェクトにパートナーとして参画している(2024年7月〜)。宇宙メディア「SpaceMate」の運営も行っている。

三井住友海上 — JAXAと共創、「月保険」を開発

2022年7月にJAXAとJ-SPARC共創活動を開始し、サブ軌道飛行やISS滞在など様々な宇宙旅行形態に対応した保険商品の開発に取り組んでいる。2023年12月に宇宙関連事業者17社からの意向表明書を受領した。

世界初の「月保険」を開発し、2023年のispace HAKUTO-Rミッション1の着陸失敗時に保険金を支払った実績がある。

2023年8月には将来宇宙輸送システム(ISC)と宇宙輸送に関する保険活用の共同検討を開始。2024年度に本社組織「企業マーケット戦略部宇宙開発チーム」(約10名)を設置している。

損保ジャパン — 日本旅行と宇宙ビジネスで協業

2025年5月29日に日本旅行と宇宙ビジネスの発展を目的とした包括協力協定書を締結した。日本旅行の「We are going to the Moon!」プロジェクトにパートナーとして参画し、月面輸送に関わる保険の組成を実施している。SOMPOリスクマネジメントがペイロード製作・輸送事業者へのリスク助言を提供している。

一般の旅行保険・生命保険の扱い

現在販売されているほとんどの海外旅行保険には宇宙関連の活動を除外する条項が含まれている。生命保険についても宇宙旅行中の事故は免責になる可能性がある。宇宙旅行に参加する場合は専用の保険を別途検討する必要がある。

宇宙保険の市場規模

宇宙保険市場全体は2024年に約60億ドルで、2032年に約95億ドルに成長する見込み(年平均成長率 約5.9%)。アジア太平洋地域は2024年に約12億ドル、2032年に約18億ドルと予測されている。日本国内の宇宙保険市場の単独の規模は公表されていない。


よくある質問(FAQ)

Q. 日本から宇宙旅行に参加できるプランはありますか?

日本の岩谷技研が気球型宇宙遊覧(高度約25km、費用約750万円〜)を準備中です。海外ではBlue Origin(弾道飛行・約3,000万円〜)やSpace Perspective(気球型・約1,800万円)が日本からの申込を受け付けています。

Q. 日本の宇宙活動法は宇宙旅行をカバーしていますか?

現行の宇宙活動法(2016年制定)はロケット打ち上げと人工衛星管理を対象としており、宇宙旅行者の法的地位については明確な規定がありません。今後の商業宇宙旅行の普及に合わせて法改正が検討される見通しです。

Q. 宇宙旅行の費用は将来どのくらい安くなりますか?

SpaceXのStarshipの実用化により、2030年代には弾道飛行が現在の10分の1程度(数百万円台)になる可能性があります。気球型旅行は既に750万円〜のプランが登場しており、競争の激化でさらなる価格低下が見込まれます。

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