2026年の天文イベントは当たり年だ。3月3日に日本全国で皆既月食、8月12日にペルセウス座流星群が新月と重なり過去最高条件、12月23日にはクリスマスイブ前夜のスーパームーンが見られる。 年間の注目天文イベントを月別に整理した。
この記事は「天文カレンダー2026」の詳細記事です。
2026年の注目イベント(年間ベスト5)
| 順位 | 日付 | イベント | 日本から |
|---|---|---|---|
| 1 | 3月3日 | 皆既月食 — 日本全国で全過程を観測可能 | 見える |
| 2 | 8月12〜13日 | ペルセウス座流星群 — 新月と重なり最高条件 | 見える |
| 3 | 12月14〜15日 | ふたご座流星群 — 月明かりほぼなし、絶好条件 | 見える |
| 4 | 12月23日 | 年間最大のスーパームーン — クリスマスイブ前夜 | 見える |
| 5 | 4月4〜5日 | MAPS彗星の太陽最接近 — 大彗星になる可能性 | 条件次第 |
日食・月食
月食
| 日付 | 種類 | 日本から | 時刻(日本時間) |
|---|---|---|---|
| 3月3日(火) | 皆既月食 | 全国で観測可能 | 部分食開始 18:50 → 皆既開始 20:04 → 皆既終了 21:03 → 部分食終了 22:18 |
| 8月28日(金) | 部分月食 | 見えない | — |
3月3日の皆既月食は、2026年で日本から見える最大の天体イベント。月が地球の影に完全に入り、赤銅色に染まる「ブラッドムーン」が見られる。前日の3月2日にはレグルス食もあり、二夜連続の天体ショーとなる。
日食
| 日付 | 種類 | 見える地域 | 日本から |
|---|---|---|---|
| 2月17日(火) | 金環日食 | 南極大陸 | 見えない |
| 8月12日(木) | 皆既日食 | グリーンランド、アイスランド、スペイン北部 | 見えない |
8月12日の皆既日食は1999年以来のヨーロッパ本土での皆既日食。アイスランドで約1分30秒、スペイン北部で日没約1時間前に皆既となる。
出典: 国立天文台 暦要項
流星群
三大流星群
| 流星群 | 極大日 | 出現数(ZHR) | 月の条件 | 2026年の評価 |
|---|---|---|---|---|
| しぶんぎ座流星群 | 1月4日 6時頃 | 120 | 満月 | 条件悪い(月明かり強い) |
| ペルセウス座流星群 | 8月13日 11時頃 | 100 | 新月 | 最高条件(月明かりゼロ) |
| ふたご座流星群 | 12月14〜15日 | 150 | 三日月(21%) | 絶好条件 |
2026年は三大流星群のうち2つ(ペルセウス座・ふたご座)が好条件で観測できる珍しい年。
その他の流星群
| 流星群 | 極大日 | 出現数(ZHR) | 条件 |
|---|---|---|---|
| こと座流星群 | 4月22〜23日 | 18 | 良い |
| みずがめ座η流星群 | 5月5〜6日 | 50 | 悪い(月明かり) |
| みずがめ座δ南流星群 | 7月下旬 | 25 | 普通 |
| オリオン座流星群 | 10月21〜22日 | 20 | 普通 |
| おうし座流星群 | 11月上旬 | 5〜10 | 普通 |
| しし座流星群 | 11月17〜18日 | 15 | 普通 |
| こぐま座流星群 | 12月21〜22日 | 10 | 普通 |
出典: 国立天文台 ほしぞら情報、IMO Meteor Shower Calendar 2026
満月・スーパームーン
2026年は満月が13回。5月に2回あり、2回目(5月31日)がブルームーン。スーパームーンは3回。
| 日付 | 名称 | スーパームーン | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1月3日 | ウルフムーン | ○ | 2026年最初のスーパームーン |
| 2月1日 | スノームーン | ||
| 3月3日 | ワームムーン | 皆既月食と同日 | |
| 4月2日 | ピンクムーン | ||
| 5月1日 | フラワームーン | ||
| 5月31日 | ブルームーン | 月に2回目の満月 | |
| 6月30日 | ストロベリームーン | ||
| 7月29日 | バックムーン | ||
| 8月28日 | スタージョンムーン | 部分月食と同日 | |
| 9月26日 | コーンムーン | ||
| 10月26日 | ハンタームーン | ||
| 11月24日 | ビーバームーン | ○ | 平均より6.5%大きく、13.5%明るい |
| 12月23日 | コールドムーン | ○ | 2026年最大のスーパームーン。8%大きく16%明るい。クリスマスイブ前夜 |
出典: Astronomy.com Full Moon Calendar、EarthSky Supermoon
惑星
衝(一晩中観測可能になる日)
| 惑星 | 日付 | 見え方 |
|---|---|---|
| 木星 | 1月10日 | 肉眼で明るく見える。13か月間で最も明るい |
| 海王星 | 9月25日 | 望遠鏡が必要(等級約7.8) |
| 土星 | 10月4日 | 肉眼で見える。小型望遠鏡で環も確認可能 |
| 天王星 | 11月25日 | 双眼鏡で確認可能(等級約5.7) |
金星・水星の見ごろ
| 日付 | イベント | 見え方 |
|---|---|---|
| 2月19日 | 水星 東方最大離角 | 夕方の西空 |
| 4月3日 | 水星 西方最大離角(2026年最大、27.8°) | 朝方の東空 |
| 6月15日 | 水星 東方最大離角 | 夕方の西空 |
| 8月15日 | 金星 東方最大離角(45.9°) | 宵の明星として最高条件 |
| 10月12日 | 水星 東方最大離角 | 夕方の西空 |
惑星の接近・整列
| 日付 | イベント |
|---|---|
| 2月28日 | 6惑星整列 — 水星・金星・土星・海王星・天王星・木星が夕方の空に並ぶ。水星・金星・土星・木星は肉眼で見える |
| 6月9日 | 金星と木星が大接近 — 約1度以内に近づく。夕方の西空で見やすい |
出典: Sea and Sky Astronomy Calendar 2026
彗星
C/2026 A1(MAPS彗星)
2026年1月13日に発見された彗星。太陽をかすめる「サングレーザー」に分類され、4月4〜5日に太陽から約12万〜19万kmの距離を通過する。
太陽接近を生き延びた場合、等級が-1以上に達し、薄明中にも肉眼で見える可能性がある。1965年の池谷・関彗星と同じグループに属する可能性が指摘されている。
ただし、サングレーザー彗星は太陽接近時に崩壊することが多く、生き延びるかどうかは不確定。
出典: Sky & Telescope、Star Walk
オーロラ
2026年の見通し
太陽活動サイクル25の極大は2024年10月頃に到達したが、「二重ピーク」現象により2025〜2026年にかけて活動が再び上昇する可能性がある。2026年は極大期の延長線上にあり、大規模な磁気嵐によるオーロラの発生は引き続き期待できる。
特に**春分・秋分の前後(3月・9月頃)**は磁気嵐が起きやすく、中緯度でのオーロラ出現の好機。
日本での観測の可能性
2026年1月20日に北海道で低緯度オーロラの観測実績がある。大規模な太陽フレアやコロナ質量放出(CME)が地球方向に発生した場合、北海道や東北地方で赤いオーロラが見える可能性がある。
- 観測に適した時間帯: 22時〜翌2時頃
- 条件: 光害の少ない場所、北の地平線が開けた場所
- リアルタイム予報: NICTオーロラ・アラート
出典: Space.com Aurora Forecast 2026
その他
レグルス食(月がしし座の1等星を隠す)
| 日付 | 時刻(東京) | 日本から |
|---|---|---|
| 1月6〜7日(深夜) | 深夜 | 九州の一部・沖縄を除く全国 |
| 3月2日(月) | 潜入 20:31頃 → 出現 21:35頃 | 九州南端より南を除く全国(翌日が皆既月食) |
出典: 国立天文台 レグルス食
ISS(国際宇宙ステーション)の観測
ISSは2026年も運用中。日の出前・日没後の数時間に明るい光点として移動する姿を肉眼で確認できる。
- 観測チャンスの確認: きぼうを見よう(JAXA)、Spot The Station(NASA)
月別カレンダー
1月
- 1月3日: スーパームーン(ウルフムーン)
- 1月4日: しぶんぎ座流星群(条件悪い)
- 1月6〜7日: レグルス食
- 1月10日: 木星が衝
2月
- 2月1日: 満月(スノームーン)
- 2月17日: 金環日食(南極、日本から見えない)
- 2月19日: 水星 東方最大離角
- 2月28日: 6惑星整列
3月
- 3月2日: レグルス食
- 3月3日: 皆既月食(日本全国で観測可能)
4月
- 4月2日: 満月(ピンクムーン)
- 4月3日: 水星 西方最大離角(2026年最大)
- 4月4〜5日: MAPS彗星 太陽最接近
- 4月22〜23日: こと座流星群
5月
- 5月1日: 満月(フラワームーン)
- 5月5〜6日: みずがめ座η流星群
- 5月31日: ブルームーン
6月
- 6月9日: 金星と木星が大接近
- 6月15日: 水星 東方最大離角
- 6月30日: 満月(ストロベリームーン)
7月
- 7月下旬: みずがめ座δ南流星群
- 7月29日: 満月(バックムーン)
8月
- 8月2日: 水星 西方最大離角
- 8月12日: 皆既日食(アイスランド・スペイン、日本から見えない)
- 8月12〜13日: ペルセウス座流星群(新月で最高条件)
- 8月15日: 金星 東方最大離角(宵の明星として最高条件)
- 8月28日: 部分月食(日本から見えない)
9月
- 9月25日: 海王星が衝
- 9月26日: 満月(コーンムーン)
10月
- 10月4日: 土星が衝(肉眼で見える)
- 10月12日: 水星 東方最大離角
- 10月21〜22日: オリオン座流星群
- 10月26日: 満月(ハンタームーン)
11月
- 11月17〜18日: しし座流星群
- 11月24日: スーパームーン(ビーバームーン)
- 11月25日: 天王星が衝
12月
- 12月14〜15日: ふたご座流星群(絶好条件)
- 12月21〜22日: こぐま座流星群
- 12月23日: 2026年最大のスーパームーン(クリスマスイブ前夜)
- 12月下旬: 惑星整列(火星・木星・天王星・土星・海王星)
天体観測に役立つ機材
2026年の天文イベントを楽しむためのおすすめ機材を紹介する。
初心者向け(〜1万円)
- 双眼鏡(8×42): 流星群・月食・彗星の観測に最適。倍率8倍・口径42mmが汎用的。Amazonで見る
- 星座早見盤: スマホアプリ「Star Walk」「Stellarium」でも代用可能だが、暗所で紙の早見盤が便利
中級者向け(1〜5万円)
- 天体望遠鏡(経緯台式): 月のクレーター、土星の環、木星の縞模様が見える。口径70mm以上を推奨。Amazonで見る
- カメラ三脚+スマホアダプター: 月食・彗星の撮影に
上級者向け(5万円〜)
- 赤道儀付き天体望遠鏡: 長時間露光での天体写真撮影に不可欠
- 天体カメラ(CMOSカメラ): 惑星・星雲の撮影用
日食観測の必需品
- 日食メガネ(ISO 12312-2準拠): 2026年8月のヨーロッパ皆既日食を現地観測する方に必須。100円ショップのサングラスは絶対にNG
天体観測グッズは宇宙の店(spacegoods.net)やJAXA筑波宇宙センターのUNiBO店舗でも購入可能。
スマホ・カメラで撮る天体写真のコツ
2026年の天文イベントを写真に残すための撮影テクニックを紹介する。
スマホで撮る場合
| 被写体 | 撮影のコツ | おすすめ設定 |
|---|---|---|
| 月(満月・月食) | 三脚にスマホを固定。望遠レンズアタッチメントがあると◎ | ナイトモードOFF(明るすぎるため)、露出を下げる |
| 流星群 | スマホ単体では難しい。広角レンズ+長時間露光アプリ(NightCap等)を使用 | ISO最大、シャッター15〜30秒 |
| オーロラ | ナイトモード or 長時間露光アプリ | シャッター5〜15秒、ISO 800〜3200 |
| 惑星(木星・土星) | 望遠鏡にスマホアダプターを装着して拡大撮影 | 動画で撮影→スタッキング処理がベスト |
一眼レフ・ミラーレスで撮る場合
| 被写体 | レンズ | 設定目安 |
|---|---|---|
| 天の川・星景 | 広角14-24mm、F2.8以下 | ISO 3200〜6400、SS 15〜25秒(500ルール)、WBは蛍光灯 |
| 月のクレーター | 望遠300mm以上 | ISO 100〜400、SS 1/125〜1/500、F8〜F11 |
| 流星群 | 広角14-24mm、F2.8以下 | ISO 3200、SS 15〜30秒、インターバル撮影(連続100枚以上) |
| 皆既月食 | 望遠200-400mm | 皆既中はISO 1600〜3200、SS 1〜4秒(赤銅色は暗い) |
500ルール: 星を点に写すためのシャッター速度の上限 = 500 ÷ 焦点距離(35mm換算)。例: 24mmレンズなら500÷24 ≒ 20秒が上限。
日本のおすすめ天体観測スポット
光害が少なく、星空観測に適した日本の代表的な場所を紹介する。
星空の名所
| 地域 | 場所 | 特徴 |
|---|---|---|
| 長野県 | 阿智村 | 環境省の全国星空継続観察で「日本一の星空」に認定。星空ナイトツアーを開催 |
| 岡山県 | 美星町 | 日本初の光害防止条例を制定。国立天文台188cm望遠鏡がある |
| 沖縄県 | 石垣島・竹富町 | 日本初の「星空保護区」(IDA認定)。南十字星も観測可能 |
| 北海道 | 陸別町 | 「日本一寒い町」として知られる。りくべつ宇宙地球科学館で大型望遠鏡が利用可能 |
| 鳥取県 | 大山周辺 | 「星取県」を標榜。鳥取市さじアストロパークに103cm望遠鏡あり |
| 東京都 | 奥多摩 | 都心から2時間以内で到達できる観測スポット。月食や流星群の撮影に |
主要天文台・プラネタリウム
| 施設名 | 所在地 | 一般公開 |
|---|---|---|
| 国立天文台 三鷹 | 東京都三鷹市 | 常時見学可(一部要予約)。4D2Uドームシアターは月2回公開 |
| 国立天文台 野辺山 | 長野県南牧村 | 45m電波望遠鏡。見学自由(8:30〜17:00) |
| 仙台市天文台 | 宮城県仙台市 | 1.3mひとみ望遠鏡。毎週土曜に天体観望会 |
| 明石市立天文科学館 | 兵庫県明石市 | 日本標準時子午線上。プラネタリウム年間12万人来場 |
| JAXA筑波宇宙センター | 茨城県つくば市 | 展示館見学無料。ガイドツアーあり(要予約) |
よくある質問
Q: 2026年で日本から見える最大の天文イベントは?
3月3日の皆既月食。日本全国で全過程(部分食開始〜皆既〜部分食終了)を観測できる。18時50分から始まるため、仕事帰りでも見られる好条件。
Q: 流星群を見るコツは?
- 極大日の前後1〜2日が見頃(極大日ちょうどでなくてもOK)
- 22時〜翌2時頃が最も多く流れる
- 月明かりがない方角を見上げる(放射点にこだわらなくてよい)
- 暗さに目を慣らすため、最低15分は暗い場所にいる
- 寝転がって空全体を見るのがベスト
Q: スーパームーンは本当に大きく見える?
通常の満月より約14%大きく、約30%明るい。ただし肉眼で「明らかに大きい」と感じるのは難しく、写真で比較すると違いがわかる。地平線近くの月は「月の錯視」により大きく感じるため、月の出直後が見映えする。
Q: 天体望遠鏡なしで楽しめるイベントは?
月食、流星群、スーパームーン、惑星の整列、オーロラは肉眼で十分楽しめる。双眼鏡があれば木星の4大衛星や月のクレーターも確認できる。
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